No.51 (サファヴィー朝・ムガル朝) :
「アウラングゼーブがムガル朝を傾けたとはどういうことか?」
父帝シャー=ジャハンを幽閉して全盛期の皇帝に即位したアウラングゼーブ
だが、デカン高原征服の軍費が財政難を招き、その立て直しのためにヒンド
ゥー教徒へのジズヤ(人頭税)を復活させると、ラージプート族や、イスラ
ーム教の影響を受けた新ヒンドゥー教のシク教徒、南西部のマラータ族の反
乱が続発。さらに官僚にイクターを分与したことで帝国分裂の原因を作って
しまった。
<評価の観点>
関心・意欲・態度:
息子アウラングゼーブに幽閉されつつ、愛妃の廟であるタージ=マハルの完成を
待望したシャー=ジャハンのエピソードを知ることにより、タージ=マハルに対
する興味を高めて、意欲的に学習に臨んでいる。
思考・判断:
一種の「征服王朝」といえるムガル朝の皇帝、アクバルとアウラングゼーブ
それぞれのインド人統治が、対照的なものであったことについて的確に判断
している。
資料活用の技能・表現:
深刻な財政難を招いた原因である、アウラングゼーブのデカン征服について、
地図上にその規模の大きさを確認している。
知識・理解:
圧倒的大多数のヒンドゥー教徒に対するジズヤの課税が、地方の反乱を続発させた
ことや、官僚にイクターを分与して地方領主化したことが、ムガル朝の求心力を低
下させてしまったことについて、基本的な知識を身につけている。